いつもお世話になっております。事務局の橋本です。
11月12日に沖縄内観懇話会で行われた絵本内観ワークショップ印象記を法人会員の沖縄内観研修所からご寄稿いただきましたのでご紹介させていただきます。
講師は岡山県のNPO法人マザーリーフの藤惠子先生、光岡亜希子先生です。

絵本内観ワークショップ印象記
2017年11月12日(日)沖縄県立清和病院
NPO法人マザーリーフ代表 藤惠子先生、光岡亜希子先生
主催:沖縄内観懇話会

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様々な絵本を通して内観的思考を学ぶワークッショップ。絵本の中の時代背景や隠されたメッセージを読み解いたり、その絵本を読んで感じたことをお互いにシェアリングすることによって理解を深めていく。通常、一冊の絵本で2~3時間のワークショップを行うそうだが、今回は様々な絵本に触れ、ワークッショップの進行方法などを感じてもらうことを重点においた内容となっている。

今回題材にした絵本は「大きなリンゴの木」「おまえうまそうだな」「パパのしごとはわるものです」をテーマにしたセッションでは母との関係・母性愛、父との関係・父性愛をテーマにした内容。「てんごくのおとうちゃん」では内観の「嘘と盗み」について連想するような内容であった。シェアリングは6人程度のグループに分かれ、一人ひとりが感想を述べるに留まったが、本来であればそこからそれぞれが抱える問題や両親との関係性を話題にしながら、全員で受け止める「集団内観」的な構造になっている。重要なのは進行役のファシリテーション力であるように感じた。キーワードは「傾聴」「共感」「質問力」それから参加者が安心して想いを発言できる場・雰囲気をつくること。参加者は否定的な意見や発言の拒否もできるので、ファシリテーション役の受容力が必要とされる。これは内観面接者にも共通して必要とされる力であるように思える。

「100万回生きた猫」この本を使ってのワークセッションでは「幸せとは何か」「愛とは何か」がキーワードとなった。内観的というよりも、内観を通して気付いた人生における普遍的なテーマを深堀する内容であるように思えた。

「クリスマスキャロル」を題材にしたセッションでは、登場する3人の妖精によって過去・現在・未来・死というテーマから人生を見つめ直していく物語。まさに内観三項目を連想させるストーリー展開で、さらに死を取りつめた人間の劇的な価値転換が興味深い。さらに興味深かったのは1843年にキリスト教圏のイギリスで描かれたこの物語が内観的であるということ。時代・信仰・地域・人種に関係なく、人間には根源的な何かが共通していると感じた。その「何か」を掴むための方法として内観が有効であるということを改めて再認識したワークショップだった。(沖縄内観研修所)

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貴重な印象記をありがとうございました!
お写真はマザーリーフよりご提供いただきました。感謝申し上げます。
どうぞよろしくお願いいたします。